中国茶 〜青茶〜
半発酵茶
日本で呼ばれている烏龍茶とは青茶のことです
日本で「烏龍茶」と呼ばれている中国茶は
中国では大きく6つに分類されたお茶の中の「青茶」にあたります。
発酵を途中で止めているので、半発酵茶とよばれていますが、発酵の度合いは
15%〜70%と幅広く、味や香り、水色も多種多様。
「香りを聴く」と表現される青茶。
高温の湯で香りが立ったら逃さないように30秒〜40秒ほどかけてゆっくり香りを楽しんでください。
中国青茶の製法
青茶 採摘・・・・・萎凋・・・・・揺青・・・・・殺青・・・・・揉捻・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・焙じる
萎凋 | ・・・ | 茶葉を天日や熱風でしおらせる工程です。 |
茶葉がもともと持っている酸化酵素による発酵をうながします。 | ||
揺青 | ・・・ | 茶葉を軽く揺さぶって撹拌し、発酵を緩やかに進めます。 |
この工程で青茶らしい華やかな芳香成分を引き出します。 | ||
殺青 | ・・・ | 摘んだ茶葉はすぐに発酵をしはじめてしまうので炒熱を加えることで茶葉の発酵をとめます。 |
紅茶は完全発酵させるお茶なので殺青はしません。 | ||
揉捻 | ・・・ | 機械や手でもむ作業です。 |
ここで形作りながら味と香りをひきだします。 | ||
焙じる | ・・・ | 茶葉を乾燥させる作業です。 |
竹籠に入れて低温でゆっくり水分を取り除きます。 | ||
広東省、福建省北・南部、台湾。青茶の産地として代表的な4地域ですが、多種多様な味と香りのお茶が作られています。
安渓鉄観音
(あんけいてっかんのん)
安渓鉄観音(あんけいてっかんのん)は
中華人民共和国福建省でつくられる青茶、発酵度40%ほどの半発酵茶です。
当店で扱っている鉄観音は清香型。
良く蘭の香りに例えられることが多いのですが、私の好きな鉄観音はやさしいあんずのようなフルーティさを感じます。
鉄観音特有の音韻と言われる長く続く余韻のような香りがあります。
もともと鉄観音茶は焙煎したものが主流でしたが、ここ数百年でこの清香型が人気となりました。
そして安渓での元の製法を伝承しているのが台湾の木柵鉄観音です。どちらも素晴らしいお茶です。
鉄観音は若い葉は使いません。京都の宇治に似た土壌で育った成長しきった固い葉を使うことで
濃厚な香りと力強い味わいが生まれます。
効能
鉄観音は先に述べたように、成長した固い茶葉を使います。
そしてこの成長した茶葉にはポリフェノール含有量とミネラルが若い茶葉に比べて極めて多いことがわかっています。
この発酵によって生まれる烏龍茶ポリフェノールは、脂肪排泄作用と抗酸化作用があると言われています。
美味しい淹れ方
お手持ちの急須に熱湯を注ぎよく温めておきます。
お湯を捨て、茶葉5gを入れ沸騰させたお湯を150ml注ぎます。
抽出時間は40秒ほどおいて、一度茶海やほかの大きめのお茶碗などに注ぎます。お茶は全て出し切ってください。
2煎目以降は20秒ほど抽出時間を長くして大体3〜4煎は美味しく飲むことが出来ます。
熟成させても素晴らしいお茶
鉄観音は上手に熟成させると、芳醇な深い香りのお茶になります。
でも保存には湿気と酸化は大敵。
密閉して、さらに中蓋付きの茶筒で保存してください。
中のお茶が見える瓶はお洒落で素敵ですが、光も茶葉にはストレスです。大事に大事にその時をお楽しみに・・・。